日本の農業では、働く人の平均年齢が67歳を超える状況になっており、働き手の数はこの10年間で約30%減少しています。そのため、農地が使われなくなったり、農村が元気をなくしたりしています。しかし、農業を会社のように運営する農業法人は少しずつ増えています。また、最近は気候変動や台風の影響で作物が育たないこともあり、農業を続けるのがますます難しくなっています。最近の農業に関する取り組みと投資について一緒に考えていきましょう。
- 外食産業の農業への参入と運営の難しさ
- 農業への投資について
外食産業と農業のつながり
外食チェーンの中には、自分たちの店で使う野菜を安定して仕入れるために農業に関わる企業もあります。例えば、モスバーガーを運営するモスフードサービスは、自社で野菜を育てたり、農家と協力したりしています。これにより、野菜の品質や鮮度が良くなり、モスバーガーのブランド力も上がりました。また、サイゼリヤは一部の店舗で自社農園から新鮮な野菜を供給し、品質を確保しています。さらに、すかいらーくグループは、契約農家と連携して季節ごとの安定した供給体制を構築しています。
しかし、モスの取り組みはすべてが成功しているわけではありません。現在は農場の数を減らし、農家との協力を増やして対応しています。
企業が農業に挑戦する難しさ
企業が農業に関わるとき、農地を借りる手続きや天候の不安定さが大きな問題となります。例えば、ある企業では農地を賃借してトマトの生産を始めましたが、台風の被害で収穫が半分以下に減った経験があります。また、農地を貸し出す農家との契約が短期的なため、長期的な設備投資に踏み切れないケースもあります。特に、気候による影響を受けない植物工場は注目されていますが、費用が高くて導入が難しいことが多いです。
一方で、企業が農業に関わることで、消費者に安全な食材を届けられるメリットもあります。農業を通じて企業のイメージアップやリスクを減らす動きも増えています。
ワタミの農業への取り組み
外食チェーン大手のワタミも農業に積極的に取り組んでいます。ワタミは自社農場で育てた野菜を外食店舗で使ったり、農家と提携して野菜の供給を強化したりしています。最近ではサンドイッチチェーンのサブウェイをグループに加えたことで、野菜の使用量をさらに増やす計画です。
また、ワタミはお米の生産にも注目しており、国内外でおにぎりや寿司などの日本食の人気が高まる中で、その需要に応えるための準備を進めています。特に、訪日外国人観光客の増加がコメの需要を押し上げており、北海道での水田拡大計画など具体的な取り組みを進めています。これにより、農業の赤字を解消する見通しを立てています。
農業に投資する可能性
農業はリスクが多いですが、長期的には持続可能なビジネスチャンスでもあります。例えば、気候変動による収穫減少や農地の荒廃といったリスクがありますが、AIやドローンを使ったスマート農業はこれらの課題を解決する可能性があります。また、消費者の健康志向の高まりによってオーガニック農業への需要が増えており、新しい市場としてのチャンスも広がっています。
さらに、企業が農業に関わることで、地域の経済を活性化させたり、新しい市場を開拓したりすることもできます。特に、人口が減っている地域では、農業の支援が地域全体の力になることが期待されています。
まとめ
日本の農業は多くの問題を抱えていますが、企業の力を借りることで新しい可能性が生まれています。農業に投資する際には、長い目で見てリスクとリターンをよく考えることが大切です。
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